10月, 2018年

イスラム教は、やっぱり怖い!

2018-10-18

イギリスの中東専門ニュースサイト「ミドル・イースト・アイ」は16日、サウジ人記者カショギ氏がサウジ総領事館内で生きたままテーブルの上で身体を切断され7分で死亡した、と伝えている。切断したのは“暗殺集団”の法医学者で「私は解体する時に音楽を聴く。君たちもそうしなさい」と語ったらしい。一方、アメリカの新聞では、総領事館内で拘束されたカショギ氏には尋問もなく、殴られ、薬物を投与され、サウジのイスタンブール総領事立会いの下で殺害された、と記述されている。完全なる“国家犯罪”だが、疑惑の総領事はもう本国に帰ってしまったし、ムハンマド皇太子は関与を否定するだろう。私が疑問に思っていた“結婚に必要な書面”だが、一度提出したものに“不備がある”ということで、日時を指定してカショギ氏を再度、総領事館に向かわせたらしい。最初から“拘束・殺害”が目的だったのだ。アメリカの新聞記者として活動していたカショギ氏は、とりわけムハンマド皇太子に対し批判的な記事を書いてきた。次期“国王”が確実視されている皇太子への批判は、そのまま“国家に対する反逆”として目障りだったのかもしれない。それにしても暗殺集団を送り込んで総領事館内で“生きたまま切断する”というむごい殺し方はなぜ行われたのだろう。これはイスラム教の国だからだ。世界にはさまざまな宗教があるが、とりわけイスラム教は“敵”に対して容赦しない。現在、世界にはイスラム教を“国教”としている国が相当数あるが、大きく二つに分かれる。“イスラム原理主義”に基づく“強固なイスラム思想”を掲げる国家と、或る程度まで時代を考慮し“融和型イスラム思想”に転換しつつある国家である。中東の場合は“強固なイスラム思想”の国家が多い。ただサウジアラビアはムハンマド皇太子が国政に関わるようになって、徐々に“融和型イスラム思想”に転換しつつある。女性の運転免許を認めるとか、男女が一緒に映画鑑賞するのを許可するとか、若者たちからの支持も厚い。但し、元々が“強固なイスラム思想”の国だった。“敵”に対する“報復意識の強さ”は、幼い頃から叩きこまれている。それがイスラム教という宗教なのだ。中東国家の日本に対しる捉え方は二つに分かれる。“アメリカ寄りの国”という捉え方と“無宗教の国(又は神道の国)”という捉え方である。“アメリカ寄りの国”として捉えると、キリスト教国家というくくりになって“敵”となる。だからテロリストなどは、キリスト教ではない日本人も“同族”として殺すのだ。“無宗教の国”と見ている人たちは、日本は“敵”ではないので親しんでくれる。モスクの中を“観光”として興味深そうに眺める日本人は、彼らにとって“教育が必要な人間”なのだ。

インドが「CoCo」で埋め尽くされる日

2018-10-17

今から30年以上前、私はビルの中にあった“占いハウス”に出勤する形の占い師だった。或る日、30代半ばくらいのちょっとハーフっぽい男性がやって来た。彼は口数の少ない日本人だったが、ドイツで寿司職人をしているといった。日本に戻って暮らそうか、今のままドイツで働くか、迷っているとのことだった。私は正直、自分がどう占ったのか覚えていない。ただドイツでも“寿司屋”が存在していたことに、ひどく感銘した記憶が残っている。ところが30年以上たった今、ヨーロッパに“寿司屋”があることは、別に不思議でも何でもないことになった。日本食は、今や世界中に存在する。だから、インドに「カレーハウスCoCo壱番屋」が出来たとしても、驚くには値しないことなのかもしれない。そうは言っても、やっぱり「インド=カレー」というのは独特で、毎日3食飽きずにカレーだけを食べ続ける姿を見ると、日本人なら誰もがうろたえる。その本場に向けて、CoCo壱番屋が着々と準備を始めている。その前に、日本人に「カレー」を伝えたイギリスに、まずはロンドンに出店するそうだ。そして3年以内に本場・インドへと挑む。現在、ギネス認定「世界最大のカレーチェーン」であるCoCo壱番屋では、本場・インドへの進出を“最大目標”として頑張って来たらしい。果たして、その挑戦は成功するのだろうか。現在、香港、タイ、ベトナム、インドネシアなどにも既に出店している。おおむね反応は良い。これらの地域では“別もの”という意識で受け入れられている。そう、本来の“カレーライス”として受け入れられているわけではない。“別もの”の“美味しい料理”としてファンを増やしているのだ。考えてみれば日本人というのは、何でも本場とは“別もの”にしながら“日本流”として再構築する文化を持っている。そういう意味では、私の占いなども欧米人や中国人から見ると“別もの”に違いない。けれども、その“別もの”の方が占い技術として優れているなら、それを輸出していこうとするのは当然の発想となる。やがて30年以上経った時、インドは“別もの”のカレーの店で埋め尽くされているかもしれない。そして“波木流の占星術”が“インド占星術”に変わって普及しているかもって、それはないか。

「インド占星術師」に転身の上祐史浩氏⁉

2018-10-16

ちょっと驚かされるニュースが入ってきた。元オウム真理教徒で現在「ひかりの輪」を主宰している上祐史浩氏が“インド占星術師”に転身するというのだ。今回のセミナーで初めてそれを公言したらしい。元々上祐氏は古代インドのヨガや仏教に関心を持っていた。早稲田大学理工学部大学院で宇宙工学を研究していた彼は“宇宙”と“超能力”にも強い関心を抱いていた。それら全部の“探究”を目指していたのが初期の純粋(?)な「オウム神仙の会」だった。麻原がどう考えていたかは知らないが、少なくとも初期の「オウム神仙の会」は超能力好きのヨガ集団にすぎなかった。それが変化し始めたのは「オウム真理教」に名を改めてからである。本来であれば、上祐氏はただ一人、教祖・麻原彰晃に対して意見できる人物だった。実際、初期の頃は上祐氏の主張で取り止めていた事項がいくつもあった。ところが教団が“巨大化”していくにつれて、元々が商売人の麻原は、理論派で精神主義的な上祐氏を“煙たく”感じ始めていた。だから、彼をアメリカやロシアに飛ばして“普及活動”に専念させたのだ。そのことが、結果的に“ナンバー2”でありながら極刑を逃れた一番の決め手となったのだから、人生はわからない。これまでにも「ひかりの輪」ではインド占星術の専門家を招いて占いを行っていたらしい。確かに、インド占星術やマヤ占星術や密教占星術は、さまざまな宗教の勧誘剤としてイベント的に使用されているケースが多い。なぜなら占星術は「運命」を予告するが、その“運命の呪縛”から逃れる方法を「宗教」に任せてしまえば、占いの責任を負わなくて良い。こうして大昔から、秘教的な占星術と呪術的な宗教とは“妖しい関係”を築いてきたのだ。上祐史浩氏がどのような意図のもとに“インド占星術師(鑑定料二万円)”に転身したのかは知らないが、占いだけでなく“開運グッズ”の販売も平行して始めたのだけはいただけない。宗教の“師”として仰ぎ見てきた人達にも、今後、占いの“師”として相談依頼する人達にも、あまりにも開運グッズ販売は商売の臭いがして“妖しく”見えるからである。

「情報」や「比較」が倒産・廃業を増やす

2018-10-15

あまり大きなニュースにはなっていないが、企業倒産の件数・負債総額とも過去最多ペースで増え続けている。おそらく今のままで進めば、今年の企業倒産は年間400件550億円に達するものと予想されている。この倒産の半分以上を占めているのは資本金1000万円以下の零細企業である。どうして倒産してしまうのかと言えば、第一に“人手不足”からであり、第二に“人件費”等の高騰からである。解かりやすく言うと、小さな企業の場合、仕事は入って来るのだが、それに応じきれない。人手が足りないからだ。そこで従業員たちは仕事に追われ、賃金上がらず負担だけが増えていく。やがてベテラン従業員は辞めていく。新たに募集しても入ってこない。そこで仕方なく賃金を値上げして募集するのだが、それを繰り返すうちに収支が悪化してくる。ソフト開発など情報サービスでは71%、運輸・倉庫などでは67%、建設では66%が人手不足を感じている。さらに多い飲食店では83%にも達するのだ。つまり、どの業種も、仕事そのものには恵まれているが、安い賃金で募集しても人が入って来てくれないのだ。これらの業種は、いずれも残業が多いとか、休日な少ないとか、スピードを要求されるとか、プライベートを充実させたい人は避けがちな職業だ。賃金だけの問題ではないのかもしれない。こうして、仕事は入って来るのに倒産していく企業が増えていく。同じような傾向は“後継者のいない”企業にも言えて、現在、経営者が60歳以上で後継者が決まっていない中小企業は127万社にも達する。しかも、これらの半分は“黒字企業”だ。つまり、そこそこ利益は出ているのだが、後継者が見つからないため廃業に追い込まれる可能性が極めて強いのだ。なぜみんな後継者になりたがらないのかというと、税負担が一挙にのしかかって来るからだ。そういうわけで、倒産や廃業が津波のように押し寄せているのだが、こうなってしまった大きな要因は、昔と違って個々の企業に関して、仕事内容に関して、働く前から巷に情報があふれている。昔は、みんな“知らぬが仏”で就職していった。現代は、そうはいかない。“就職”だけでなく“結婚”に関してもそうだが、あまりにも情報があふれている。何も知らずに働き出す。何も知らずに嫁いでいく。そうして、周囲と比較することなく生活していた時代の方が、心の豊かさを保てていたような気がするのは、私だけなのだろうか。

「アップルウォッチ」が“殺人”を暴くか⁉

2018-10-14

トルコ政府に近い地元紙「サババ」は13日、イスタンブールのサウジアラビア総領事館を10月2日に訪問して後、行方不明となっているサウジ人の新聞記者カショギ氏が、サウジアラビアから来た“暗殺集団”に激しく尋問され、拷問され、殺害された時の“音声記録”をトルコ当局が入手したと報じた。さらに、その時の映像まで入手しているという報道まである。果たして本当なのだろうか。それまでサウジアラビア政府にとって都合の悪い報道を伝えることが多かったカショギ氏はサウジ政府から送り込まれた“暗殺者集団”に殺害されたという観方がまことしやかに広がっている。これら噂や報道についてサウジの内相は「根拠のないデマ」であると一蹴している。ただカショギ氏が総領事館内に入るところまでは監視カメラの映像によって確認され、その後の足取りが不明なので、どうしてもサウジ政府や総領事館内部が“疑惑”を持たれるのは仕方がないだろう。ただ私には疑問なことがいくつかある。まず第一は、彼は別に政治的なことで総領事館を訪れたわけではない。トルコ人女性と結婚する目的で、その“必要書類”を受け取るために総領事館を訪れたのだ。大使館内のそういう部署がどうなっているのか知らないが、よほど前もってそれに備えていなければ、複数の人達が“出入りするような場所”で書類は渡されるものだと思われる。そういう場所で“反政府記者”だと、すぐに見抜けるものだろうか。もしも、前もって拉致する準備をしていたとすれば、誰かが加担している可能性がある。もっとも可能性があるのは“トルコ人花嫁”関係者ということになる。とにかく失踪していることは事実であり、遅ればせながらトルコ・サウジ両政府が合同で調査するらしい。もしも、殺害時の“音声記録”が事実だとすれば、それはカショギ氏の身に付けていたアップルウォッチが“驚異の事実”を証明することになる。正直、私は子供っぽいデザインの“IT時計”は好きではないが、思わぬところにその効用があるのかもしれない。

なぜか『ムー』だけが残った

2018-10-13

10月12日から都内で秘かに開催されているのが「創刊40周年・ムー展」である。1979年10月の創刊から正確に言うと来年で40周年になる。まあ1年前倒しでの“40周年記念イベント”らしい。創刊当時からの“興味深い展示物”が並べられているというが、正直、それほど“目新しいもの”はない。私のように、創刊当時から購入していた者にとっては「懐かしい」とは思うが、80年代の“勢い”は消えたというのが正直な感想だ。ただ、それ以外の“謎と神秘”を扱う雑誌が、ことごとく消えてしまった現在、或る意味で大変に貴重ではある。私は幼い頃から“謎と神秘”が大好きだった。まさに『ムー』のような雑誌を求め続けて幼少期を過ごした。一番最初は『UFOと宇宙』という雑誌が出て、当時のUFOブームに拍車が掛かった。次にUFOだけでなく、古代文明、超能力、心霊、占い、超科学を扱う『ムー』が“隔月刊誌”として登場した。そして同じような内容ながら、より魔術的色彩の強い『トワイライトゾーン』という雑誌が、その後を追った。さらに少女向け占い雑誌『マイバースディー』が出て、マニア向け占い雑誌『エルフィン』が出て、大人女性向け占い雑誌『ミスティ』も出た。この『ミスティ』という雑誌には嫌な思い出がある。実は、私はこの雑誌に三度寄稿した。その三度目の時、私は珍しい「亀谷式数字判断法」を寄稿した。この原稿は、事前の打ち合わせで、私から編集者に対し「この占いは“亀谷式”という判断方法です」と最初方告げて了解を取っていた。しかも、本来の原稿では大きく「亀谷式」の文字を入れてあった。ところが、編集者が「今回の原稿は波木先生の独創のところが多いと思いますので、亀谷式というのは外した方が良いと思うのですが、どうでしょう?」と言ってきた。そこで私はOKを出した。雑誌社がそういうのだから問題ないだろうと思ったのだ。ところが、この雑誌が発売されて間もなく、私に対して「亀谷式の判断方法を盗んだ」として、その占法の後継者たちから抗議が来た。別に盗んでなどいない。私はリード文の中にも最初「亀谷氏の占法」と書いておいた。それを編集者が勝手に削除しただけのことだ。ところが、その翌月、その雑誌には「波木星龍が勝手に借用した」と小さな謝罪文まで載ったのだ。冗談じゃない。勝手に消したのは編集部じゃないか。それと同時に、実際には7割以上が私の独創だった“数字判断法”も、どうこう言われるのはごめんなので、それ以降は実占でも使用していない。あれほど抗議してきた“亀谷式”の後継者たちは、その後どうなったのか、占い師として活躍している様子は全くない。

「中高生アイドル」の問題点

2018-10-12

今年3月に自殺した松山市を拠点とする“農業アイドル”「愛の葉ガールズ」の大本萌景(ほのか)さん・享年16歳のご遺族が、娘が自殺したのは所属事務所社長のパワハラが原因として9200万円の訴訟を起こした。ご遺族は母親と実姉で父親はいない。萌景さんはシングルマザーの家庭で育ったと思われる。彼女は「愛の葉ガールズ」の中では“看板”であり、もっとも人気と需要があった。“パワハラ自殺”として訴訟を起こされた事務所社長は、反論会見で自殺前日に「辞めるなら1億円払え」といった事実はないとしている。ご遺族は金銭を得るのが目的ではなく、真実を知りたい気持ちが強いと訴えている。近年、アイドルが次々と誕生しては消えていく。ご当地アイドルも含めると、現在、何千人のアイドルが存在しているのか、誰も把握できないのではないだろうか。そのほとんどは10代前半から20代前半である。それは青春の“ど真ん中”ともいえる年齢で、夢多き時代であり“過酷な労働”の年齢ではない。けれども「アイドル」という名のもとに無数の“ブラックな超過勤務”が行われ続けている。本来なら中学生や高校生として学業を優先しなければならない年齢だ。ところが、元々アイドルに憧れて働き出している少女たちには過酷な労働も、“トップアイドルへのステップ”と説き伏せることが出来る。拒否すれば、変わりはいくらでもいる。したがって、多くの場合には“この事件”と似たような状況があっても、表に出て来ない。“トップアイドル”になりたいからだ。日本のアイドルは諸外国と違って“芸能としての完成度”は求められない。むしろ、一緒に“育てていく悦び”をファンは自認している。だから、どんどん“低年齢化”していくのだ。そして、稀にその中から“金の卵”が生まれて何億とか何十億とかを稼ぎ出す。ここに問題の根深さがある。何十億も稼いでくれるなら、そのための多少の犠牲は“仕方がない”という風潮が出て来るのだ。親も財産をつぎ込み、アイドルを抱える事務所も財産をつぎ込む。10代半ばは、もっとも精神的に“不安定な年頃”である。そして傷つきやすい。親の顔を視て、社長の顔を視て、自らの心身の不調と闘っている。せめて中高生の仕事時間は何時間以内と規制をかけないと、このような悲劇は無くならない。

「別件」が気になる「ミイラ取り捜査官」

2018-10-11

時々、ニュースそのものよりも、その“関連事項”の方に惹きつけられることがある。札幌駅付近で10月10日に逮捕された成田順容疑者の「覚せい剤事件」もそうだ。実は彼は2008年4月から、ずっと“薬物捜査”を担当してきた人物である。現在は札幌中央署の薬物銃器対策課の巡査部長職にある。その彼が、東区の路上で“覚せい剤所持容疑”で逮捕されたのだ。勤務時間外であり、彼の自宅は北区の別方向にある。つまり、彼は仕事が終わって自宅へとは向かわず、駅近くをぶらついていたのだが、その時、おそらくは顔見知りの捜査官から声をかけられた。そして、その場で覚せい剤が発見され、即逮捕となったということだ。なぜ、仕事時間外なのに声をかけたのかと言えば、完全に“マークしていた”からである。道警は、別の事件を捜査する過程で成田順容疑者の疑惑が浮上し、マークし続けていたことを明らかにしている。だが、それがどんな事件で、どういう疑惑だったのか、どういう過程から「成田順」が浮かんだのか、明らかにしていない。ただ覚せい剤所持に関しては、本人が容疑を認めていることを明かしている。う~ん「ミイラ取りがミイラになる」と言う諺は、正にこういう時のためにあるような…。因みに、この諺に出て来る「ミイラ」の語源は、ミイラづくりの過程で使用する防腐剤の樹脂「ミルラ」から来ているらしい。昔、エジプトのミイラは「万能薬」としてヨーロッパで大人気だった。その一部は何んと日本まで輸入されていた。諺がそのまま関係しているかは疑問だが、ヨーロッパでは“万能薬のミイラ”は高く売れるとして、ピラミッド探索を行う“不届きな輩”が絶えない時代があった。同じように、成田容疑者は“高く売れる薬”として覚せい剤に手を出したのだろうか。それとも、知らず知らずのうちに、潜入捜査の過程で接触した暴力団の“餌食”になっていったのだろうか。その過程は、そのまま映画に出来そうで怖い。

「福」をもたらすドロドロ鬼神

2018-10-10

10月8日9日に沖縄の宮古島に行くと、あなたにもきっと「福」が授けられる。但し、少々汚くなるし、泥臭くもなるけど、その辺は我慢しなければならない。この島では毎年、国の重要無形民俗文化財にもなっている「パーントゥ」の祭りが行われる。特異な草を身にまとった全身泥まみれの鬼神三匹が、島中を駆け回って人々を見つけては“厄を払う”泥を塗り付けて来る。古井戸の底にたまっている泥なので汚いだけでなく強烈な臭いまでする。けれども、それこそが“厄を払う”泥なのだ。母親に抱かれた子供などは泣きながら泥を塗られる。泥の鬼神は海底から這いあがって来たので泥まみれだが、海のかなたの「福」を携えている。こういった“奇祭”は日本各地にある。有名なのは男鹿の「ナマハゲ」だ。政府は仮面姿の“異形の神々”をまとめてユネスコの「無形文化遺産」に登録しようとしているが、最近は世界各地から申請が多く、昔ほど登録基準が甘くはない。それに、こういうものは文化遺産になったから大事にすべきではなくて、実際に“効果があるかもしれない”から大切にすべきものなのだ。大昔、私は正月に獅子舞がやって来て、獅子に頭をかまれることで“その年は病気をしない”という風習に出遭った。その時、私は何歳だったのか、3歳くらいだったか、母親は強引に私の“頭”を差し出そうとした。幼い私は必死に抵抗した。食べられてしまう、と本気で思った。わんわん泣いて嫌がった。あまりの抵抗に、獅子舞の方が根負けして、次の子の方に行ってしまった。私は、もっと大泣きをした。自分の母親が、私の頭を差し出そうとしたことが悔しかったのだ。私は「愛されていないんだ」と思った。そう思うと、泣いても泣いても涙が止まらなかった。母親は困ったような顔をしていた。嫌なことは絶対に従わない“我が児”の行く末を案じていたのかもしれない。

「月旅行」に“危険信号”が灯り始めた⁉

2018-10-09

俗に「カリスマ社長」と呼ばれる人物は多い。その中でもマスコミに多くの話題を提供し続けているのが前澤友作氏だ。10月1日から、その社名を「スタートトゥディ」から「ZOZO」に変更した。ファッション通販「ZOZOTOWN」社長として“華やかな話題”に事欠かない。女性遍歴や絵画のコレクターとしても注目を集める。先ごろ、民間人として初めて2023年に8名を引き連れ、総額750億円かけて「月旅行」を行うとぶち上げた。何んとも勇ましい。宣伝を兼ねているのか、あけっぴろげの交際で女優・剛力彩芽氏との恋愛も進行中だ。先日は個人としての納税額が70億円に達しそうだと公表している。まあ、好く捉えれば“こそこそするのが嫌いな性質”なのであろう。ただ心配なのは、このところ本業の方がギクシャクし始めていることである。まず、株価が急落している。7月半ば4900円近くまで高騰したZOZOだが、このところ3000円付近まで急落している。大口の投資家たちがZOZO株を手放し始めたのだ。これは別に彼の恋愛や月旅行を心配してではない。投資家たちはそんなことには関心がない。企業として「ZOZOTOWN」の発展性に疑問を持ち始めたのだ。前年比26%減収に着目してのことだ。もう一つ、前澤氏が意気込んで始めた“ZOZOスーツ”の評判が良くないことだ。自社のプライベートブランドとして昨年スタートさせた。ところが実物の完成までに時間が掛かった。“ZOZOスーツ”を着用して、全身のサイズを計り、自分にピッタリの洋服を着る、オーダーメードだと時間もかかり料金も高くつくが、“ZOZOスーツ”で申し込めば安くて速く、自分にピッタリのスーツが出来上がる。理想的なアイディアのはずであった。ところが、どうもこのスーツの評判が良くない。中々測れないというのだ。それに面倒で時間もかかるらしい。さらに申し込みから実際に手元に届くまでにも時間が掛かる。予定とはいろいろな部分で“違い”が生じ始めている。私は、それよりも、誰もが“自分にピッタリのスーツ”を望んでいるのか疑問なのだ。まず、現代は昔のようにスーツ着用の人は少ない。日本以上に、海外ではもっと少ない。というか、海外でスーツを着用するような人たちは総じて裕福である。これまで通り“オーダーメード”で何ら問題はない。自分自身で計測しなければならない“ZOZOスーツ”に飛びつくとは思えない。そのピッタリスーツだが、私にはシャツの背中が気になった。胸部はピッタリなのだが、背中は腰に向かう部分がゆるゆるで見た目にピッタリではない。それに、これだと“好くない体形”の場合には、それをカバーできない。自分の体形の欠点をカバー出来るようなスーツの方が“求められている”のではないだろうか。

「火」を吹き出し「水」を吹き出す島

2018-10-08

9月28日にインドネシアのスラウエシ島を襲った地震と津波は徐々に死者数を増やし、最終的には5000名をはるかに超えると考えられている。津波が死者数を増やしたと考えられているが、その津波は現地入りした日本の研究者によると、段階的に何度も訪れたようで、そのため家に戻りかけた人々を飲み込んだ形跡が強い。さらに海岸から遠く離れた地域では、液状化現象によって集落が丸ごと湧き出た泥水に飲み込まれていった。したがって、なかなか正確な数字が把握できないのだ。私の住む札幌でも9月に地震が来て清田区などで液状化現象が起こった。地震のように一瞬ではなく、半日くらいかけて徐々に水かさを増すのが液状化の怖いところだ。そのような形でいくつもの集落が大地に飲み込まれたのだ。なぜか日本ではあまりこのニュースが大きく報道されない。さらに地震との関係が判然としないが、同じスラウエシ島の北部では10月3日にソプタン山が爆発的に噴火した。その噴煙は5000メートルに達した。私は7月に書いている《「爆発的噴火」にオマケは附く⁉》として、バリ島のアグン山が噴火した時、そう遠い場所ではなくて“オマケ”が起きる可能性を指摘した。赤道に近い火山の島国インドネシアが“危ない”ことはハワイの噴火の時点ですでに記してある。5月に予感したようにインドネシアは確かに危なかった。けれども、私は地震としての危機を警告したのではなかった。爆発的火山噴火だった。そして、それは文字通り“オマケ”の形で的中はしたが、そのこと自体が“大きな災難”をもたらしたのではない。その直前に起こった地震と津波、そして液状化だった。今年、赤道に近い火山の島国は確かに危ない。10月6日にも、カリブ海の島ハイチでマグニチュード5.9の地震が発生し、11人が死亡した。そういう点から言えば、大枠で外れていないのだが、それでも“正確な予知”からは程遠い。もっと“正確に予知”出来れば、多くの人は救えただろうか。いや、おそらく私の“言葉”など誰も取り上げず、的中したなら、反って虚しい想いをしたに違いない。

時代は「65型4K液晶」9万なの⁈

2018-10-07

家電製品の“日進月歩”は素晴らしい。時々、時代の変化に「ついて行けない」と思うこともある。なんとテレビは今や“55型”や“65型”が当たり前になりつつある。そして“4K”という高品質映像も当たり前のようだ。さらに一番の驚きは価格が安いということだ。このほど発売される“65V型4K液晶テレビ”は9万4500円…10万円を切るのだ。なんという安さ。我が家のテレビもそろそろ“切り替え時”ではないか。ただ我が家のテレビの良いところは“録画一体型のテレビ”だという点だ。こういう面倒くさくないのが良い。何でもそうだが、面倒なのは嫌なのだ。42型のテレビは1か月前の地震でも倒れなかった。テレビを設置してもらう時、お願いして接着してもらったからだ。あの時一瞬迷ったが、今になってみると倒れないで良かった。ベランダ側に倒れるとガラスにヒビが入っただろう。ところで、この10万円を切るテレビ、通常の家電量販店では買えないらしい。アマゾンなどの“直販”なら購入できる。問題はちゃんと設置までしてくれ、その後も問題など生じたときに対応してくれるかだ。訊かなくても慎重な妻の回答はわかっている。オプトスタイルなどという聴いたことのないメーカー品に手を出すはずがない。けれどもパナソニックなどのメーカー品は、ほぼ同じ製品が20万以上する。半額以下なのだから、その辺は目を瞑らなければいけないところかもしれないのだ。それにしても昔だったら60万とか80万とかした65型4Kテレビが10万を切るようになるとは、時代も進んだものだ。こういう風に、やがて“AI全自動運転の車”も安くなっていくのだろうか。15年くらい後には100万を切る価格になっていたなら誰もが購入できる。だが、それらを購入したからといって幸福になるわけではない。先進国の科学は間違いなく生活を便利にしたし、ゆとりのあるものに変えた。けれども、それで“幸せ”が手に入ったかというと、そうではなかった。心身の病は決してなくなるわけではないし、むしろ増えている。人々の心は“何もなかった頃”ほど大らかではない。人と人との関係が“何もなかった頃”ほど、繋がっていないような気がするのだ。携帯電話やラインで“繋がり”は増えたのに、“心”と“心”はどんな家電もITも結び付けられない。

止まったままの「誕生日」

2018-10-06

その人との関係がプツンと切れると、人は誰でもその人と最後に逢っていた映像で記憶に残す。そして時間がそこで止まる。何年経っても、何十年経っても、その人は「あの時」のままである。こうして多くの人は“愛する人”を記憶にとどめている。「めぐみ」さんを北朝鮮に拉致された横田早紀江さんの中で娘の誕生日は54年目なのだが、映像は13歳のままである。だから、彼女が逢いたいと想うのは、戻って来てほしいと思うのは、中年を過ぎた娘ではなく拉致された13歳の娘なのだ。言葉少なに昨日、横田早紀江さんは54歳になっているはずの“娘の誕生日”にコメントを寄せた。82歳になった今、一時期ほどの活動力はもうない。体力が許さない。それに、一緒に活動していた夫の滋氏は入院中なのだ。もう十分すぎるほど手は尽くした。その講演回数は1400回を数える。熱心なクリスチャンでもある彼女は、おそらく神に対しても毎日祈り続けたことだろう。それでも、無情なままに月日は過ぎた。2002年の時、突如、横田めぐみさんの娘だというキム・ヘギョンさんが出現する。この時、ヘギョンさんは14歳だった。つまり“拉致された娘の年齢”と一つしか違わなかった。その“孫”は泣きながら「祖父母に逢いたい」「一緒に暮らしたい」と言った。けれども横田夫妻は北朝鮮まで行って逢おうとはしなかった。周りの拉致被害者たちが、そこで“幕引き”になることを恐れたからだといわれる。それから12年が経って、今度はモンゴルという第三国で、すでに結婚し、出産して“赤ちゃん”を授かったヘギョンさんと横田夫妻は逢うことが出来た。なぜかそれ以降、横田滋氏の口が重くなった。或る意味で、孫とひ孫に直接会えたことは、この上ない喜びであったはずだ。けれども、娘と逢えたわけではない。また、逢えたといっても、一瞬にすぎなかった。孫とひ孫に会えたことが、その一方で哀しみを増幅させたかもしれない。運命学的には、もし、ヘギョンさん14歳の時、彼女を日本に迎え入れて“事実上の娘”として育てれば、横田夫妻は幸せを半分取り戻せたかもしれない。孫を娘のように傍において育てている夫婦はたくさんいる。けれども、横田夫妻は“本物の娘”にこだわった。私にも、もう15年ほど逢っていない娘がいる。たまに夢に出て来るが、決まって記憶に残る少女姿である。ところが実際には、もう27歳のはずだ。私は冷たいのか娘の誕生日も忘れがちだ。向こうも似ているのか、冷たいもので年賀状さえ来ない。

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