素顔のひとり言

酒鬼薔薇聖斗(少年A)とマルカムX

7年前の神戸殺傷事件の犯人であった「酒鬼薔薇聖斗」こと少年A(当時)が、3月10日に少年院を仮退院しました。その後の新聞・雑誌・TVなどで、そのことの是非などが盛んに論議されています。

事件の大きさから考えて、仮退院に対して反対意見が多いのは理解できます。けれども、私は「運命」を扱う者として、10代の時に引き起こした事件が如何に残虐であったにせよ、だからもう一生更生する機会を与えない、という考え方には基本的に反対です。どんな人間でも、人間は生まれ変われるからです。もちろん、生まれ変わったとして、それで罪が消えるということではありません。けれども、憎んで死刑を与えたとして、それで誰が救われるのでしょうか。

この人物の将来を考えるとき、私は何人かの殺人犯のその後を、考えずにはいられません。

その代表的人物の一人として、マルカムXがいます。

1970年代のアメリカにおいて、宗教的・政治的指導者として熱狂的支持を集めたマルカムXは、ろくな教育も受けず、貧民街で育った実在の人物です。幼い頃から悪事を重ね、10代半ばで殺人を犯し、長期間服役します。

その服役していた刑務所の中で、彼はイスラム教の原典「コーラン」の中に、真実を見出すのです。「我、神に一歩近づけば、神、我に一歩近づく」という教えです。

それ以降、彼は模範囚となり、出所後も人が変わったように、正義の使者へと大変身を遂げていくのです。やがて、貧民層に熱烈な支持を受ける指導者となっていくのですが、最後は銃弾に倒れるのです。

多少違っている部分があるかもしれませんが、私が記憶しているマルカムXとは、そういう人物です。

誤解されたくないので記しておきますが、私は酒鬼薔薇聖斗を擁護する気はありません。ただ、運命という名で語られる生年月日時の星の配置に「聖職者」も「殺人鬼」もありません。

性格や才能や運命的資質が与えられているだけです。それらの資質を人生という舞台の中で、どう表すかは、本人に掛かっているのです。

彼は、1982年7月7日に生れています。

出生ホロスコープの中で、火星と土星とはタイトな0度アスペクトを形成しています。大きな事故、災害、事件、アクシデントに巻き込まれやすいアスペクトです。「火と刃物」に要注意のアスペクトなのです。但し、悪い意味ばかりではなく、肉体的な克己心や耐久力を授けて、宗教的な苦行・荒行や肉体的な特異能力開発や特殊技術などの分野で賞賛すべき業績を残すこともあります。さらに、この二星は、太陽に90度、金星に120度、天王星に45度アスペクトを形作っていて、重い十字架を背負って今後の人生を歩まなければならないことを、星の配置は暗示しています。

人は、本当の意味で人を裁くことは出来ないけれども、天は、無言のうちに人を裁いているものであることを、1人でも多くの人が気付いてほしいと願っています。


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