素顔のひとり言

聖火リレーと北京五輪とダライ・ラマの手相

ロンドンでもパリでもサンフランシスコでも、聖火リレー走者がまともに走れない。本来なら「世界平和の象徴」であったはずの聖火リレーの火が、事実上何度も消えている。中国・チベット間に存在する火種が、両者の中間で燃え、聖火の火を奪った形だ。

このところ中国には、いろいろと問題が多い。地球・国際規模にまつわるような問題が多い。私は、中国は急ぎ過ぎているのだと思う。急ぎ過ぎた結果として種々な問題に目をつぶり、その結果として不平・不満が一気に噴き出し始めているような気がする。日本でも最近、いろいろな意味での格差が広がり出してきているが、日本のように単一民族(厳密に云うと、アイヌ民族がいるので単一ではないのだが…)島国で国土もせまく情報が行き渡りやすいと、基本的には極端な格差は生じにくい。中国のように国土が広く、地域差や教育レベル、貧富の差が激しいと、どうしても「力で制圧する」社会がまかり通ることになりやすい。

かつての「天安門事件」の教訓が、残念ながら忘れ去られたのか、生きていないような気がする。

確かに、今の中国はかつての中国ではない。例えば日本人が中国の上海に降り立つと、そのあまりの都会化・超近代化に驚く。或る意味で東京よりも大都会ではないか、と目を疑うほどなのだ。けれども、その一方で田舎に入ると大昔にタイムスリップしてしまったかのような家々が目につく。その古さ、汚さ、貧しさは上海の中心部と比べて五百年以上の隔たりを感じる。われわれ日本人なら誰もがそう感じるはずだ。あの格差と云うか、落差と云うか…に平気でいられる中国人と云うのは、一筋縄で扱える人種ではない。

ただ、あらゆる意味で中国は急ぎ過ぎたのだ。そのため「犠牲」に目をつぶって来たところがある。そのつけが今まさに出始めようとしている。聖火リレーの問題だけではない。

黄砂や環境汚染などの対策も急務だ。特に黄砂による砂漠化の問題は重要で、中国政府は軽く見ているよう感じられるが、やがて必ず大問題へと発展するだろう。しかも、黄砂対策への手遅れは海を渡って日本の国土にも影響を与えるのだ。

北京五輪を目の前にした中国は、さまざまな点で「世界の中国」として、国際的な基準にも配慮する国家を目指さなければならない立場にある。そうでないと北京五輪そのものが怪しくなるからだ。怪しくなると云えば、日本の女子柔道の北京選出も怪しいものであった。あれだけボクシングの判定やハンドボールの判定に騒ぎ立てたマスコミが沈黙を守る。オリンピック自体、フェアーな祭典から遠ざかりつつあるような気がする。

今回のことで注目を集めたダライ・ラマの手相を、私はかつて雑誌写真を通じて見たことがある。三大線のバランスが良く、力強く勢いがあって、統率者にふさわしい手相ではあったが、神秘性、或いは神秘能力はそれほど感じられなかった。恐らく相当な高齢で死ぬまで最高指導者であり続けるだろう。三大線のバランスの良さは日本の合気道創始者・植芝盛平に似ているが、神秘十字形が形良く出ていた点では植芝氏の方に軍配が上がる。そのせいか無言の凄味のようなものがダライ・ラマからは感じられないのが惜しい。

人相と云うのは、どうしても人種的な骨格や血統的な特徴を排除できないが、その点手相には純粋に比較できる材料が多い。そういう意味でも手相の記録と云うのは歴史的な価値もあることに気付いてほしい。


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