今日の迷言・余言・禁言

死者が“殺人事件”を告発する?

横浜の刑務所に収監されていた“詐欺罪”の男が、昨年12月、県警の方に手紙を書いた。「死体遺棄事件で自首したいので調べてほしい」奇妙な告発の手紙である。依頼者は収監されている若い暴力団関係者の男である。一応、告発に従って調査すると、実際に指定された建設会社の浄化槽から細かく溶かした骨や肉片が無数に出てきた。その数約300個。手紙の内容は真実だったのだ。そこでDNA鑑定によって調べると、手紙に記されていた被害者名と一致したので、改めて昨日、容疑者二人が逮捕された。ところが、実際に逮捕すると、自ら“自首”をほのめかしていたはずの主犯は“黙秘”へと変わり、共犯者とされた会社員の方が“素直に自白”した。主犯の暴力団関係者が被害者を殴り殺し、その後、チェーンソーを使って死体を細かく切断、そのあとで劇物カセイソーダ漬けにして死体を溶かし、そのあとで浄化槽に遺棄した事件らしい。いかにも暴力団らしい殺害の仕方である。ただ、何か腑に落ちない。まず、何故主犯は“自首”の手紙を書いたのか。当たり前の話だが「詐欺罪」より「殺人罪」の方が重い刑罰となる。しかも、自分自身は“収監中”であった。仮に共犯者も収監させたかったのだとしても、自分は出られない。殺人の方法などからいっても“自首で罪が軽くなる”ような事件ではない。もし反省しての“手紙”なら、実際に“再逮捕”となって黙秘するはずがない。大体、自分から告白しての逮捕なのだから、黙秘する理由がない。考えられるのはただ一つ。主犯は“死者”に告白するよう迫られていたのではないか、ということだ。今のままでは“浮かばれない霊”は、必死の思いで殺人鬼を呪ったのだ。その呪縛によって、犯人は怖くなって、その呪縛から逃れたくて“告白してしまった”というのが本音なのではないだろうか。そして死体が丁重に弔われた今、もう主犯の前に“怨念霊”は出なくなった。そこで主犯は、どう対処して良いかわからず、“黙秘”に変えているのではないだろうか。


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