今日の迷言・余言・禁言

人は「過去」を引き摺りながら生きていく

人はだれでも間違いを犯す。近年、日本ではその“間違い”を簡単には許してくれない風潮が強い。昔は「仏の顔も三度」という感じで、許すケースが多かったように思うが、最近は一度であっても“許されない”ケースが多い。もちろん、悪いことをして“罪”を犯したなら、それは償わなければならない。問題は、その後だ。たまたま男子柔道で2大会連続で金メダルを勝ち取り、指導者としても順調だった人生が「セクハラ発覚」で人生の“どん底”を見たのが内柴正人氏である。最近の彼を取材した記事を読んだ。現在は熊本県八代市の温泉銭湯「つる乃湯八代店」においてマネージャーとして“雑用全般”を取り仕切っているらしい。元金メダリストは柔道とは無縁の職場で頑張っていた。けれども、落ちぶれた印象はない。それは、彼が現在の仕事に、それなりの“生きがい”を見出しているからだ。ここが重要なのだ。実は、昨年の12月まで彼はキルギスに居た。しかも、キルギスの柔道連盟総監督という重責を担っていた。ところが最初2年間の契約は更新されず、帰国の形となった。この辺の事情については語られていないが、おそらく、何かがあったからだろう。同じような形で、華やかな世界から“消えた人物”がいる。押尾学氏だ。彼もまたMDMAという薬物の使用で、ホテル内で一緒に居たホステスが亡くなって、その責任を問われた。結果的に人を殺めたのだから、芸能界復帰は絶望的となった。彼の記事も出ていて、今は一般人として普通の仕事に就いているらしい。私はいつも思うのだが、芸能界とかスポーツ界とか“華やかな世界”だけが人生ではない。特に、何らかの形で「罪」を犯した人は、やはり“その十字架”は背負って生きていかなければならない。それから背を向けることは許されることではない。けれども、その一方、新たなる世界も無数に存在することは知っておいた方が良い。人はともすれば“その世界”以外には、自分が生きる世界は存在していないのではないか、と思いがちである。けれども、気持ちさえ切り替え、新たなる仕事に心血を注ぐなら、必ず“新たなる世界”で能力を発揮するようになる。出直しの時間は必要だ。“新たなる世界”に心血を注げない場合は、転落の一途をたどる。


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