今日の迷言・余言・禁言

「007」は戦わずして退散した

4月に公開が予定されている「007」の新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」は主演ダニエル・クレイグ最終作品として注目を集めている。彼は歴代の“ジェームズ・ボンド役”の中でもっとも笑顔が少ない。けれども、それが“本物のスパイ”を想起させるようなところがあって、さらにスタントマンを使わず演じる体当たりアクションも好評で、おまけにロシアのプーチン大統領に“似た容姿や雰囲気”の持ち主でもあり、これらが合わさって低迷しかけていた「007」人気を蘇らせたともいえる。ところが、その彼をしても「闘い」を挑めない国があった。現在の中国だ。現代の映画産業にとって、中国の巨大市場を席巻することは、世界を制することにつながる。そこで近年のハリウッド映画は、中国市場を意識しながら映画製作をしているとも言われる。今回も4月に中国の北京を筆頭として主要メンバーの舞台挨拶も兼ねて「007」プレミア上映を行う予定であった。ところが、ここにきて「映画館」は新型ウイルスにとって“もっとも危険な場所”に変わった。現在、中国の多くの映画館は一時的に閉館している。そういう状況であるから、とてもプレミア上映で中国各地を回ることなど出来ない。こうして早々に中止が発表されたのだ。これは、しかし「007」だけの問題ではない。あらゆる映画館が“危険な空間”となっている。もっと危険なのは“コンサート会場”だろう。多くの会場では立ち上がって声を出しながら、手ぶり身振りを加えながら、応援するような形で舞台と“一体化”することが当たり前となっている。けれども、それは見ず知らずの“他人と接触する”典型的な形でもある。このように考えると、多くの人達が無秩序に集まる空間は、どこでも新型ウイルスのような危険物が飛び交う空間となる。神経過敏な人達が多い日本人の場合、そういうニュースが多くなると「映画館」とか「体育館」とか「コンサート会場」とか「演芸場」とか「ライブ会場」など、あらゆる場所がNGとなってしまう。これらが本格化してしまうと芸能界全体が危機に陥る。いや温泉街とか観光地とか“人が集まるところ”はどこだって危険となりかねない。もう少し、この種のニュースを“過大に報道し過ぎない”努力をしていかないと、日本国の経済全体まで大きく落ち込んでいく。


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