今日の迷言・余言・禁言

「黒革の手帖」が、なぜ人を惹きつけるのか

作家・松本清張氏の小説でドラマ化された作品は多い。それも何度も繰り返しドラマ化されている作品が多い。この「黒革の手帖」も、いちばん最初にTVドラマ化されたのは、作品が単行本化されて2年後の1982年だった。その時、このドラマの主人公で銀行員から銀座のママに転身した女性・元子役を演じたのは山本陽子氏(当時39歳)であった。その後、すぐに別な局で元子役を演じたのは大谷直子氏(当時33歳)であった。さらに1996年には浅野ゆう子氏(当時36歳)が元子役を演じた。そして2004年には米倉涼子氏(当時29歳)が元子役に挑んだ。それら大物女優の後を引き継ぐ形で2017年に元子役を演じ注目されたのが武井咲氏(当時23歳)であった。ところが彼女の場合、ドラマ終了とほぼ同時に電撃結婚をしてしまった。その武井咲氏の三年ぶり女優復帰第一作が「黒革の手帖~携帯行~」(テレビ朝日系)となることが決まった。“銀座のママ”という特殊な役どころを、復帰作として敢えて望んだというのだ。それにしても、どうしてこの作品は何度も繰り返しドラマ化されるのだろう。おそらく、何度ドラマ化しても、それなりの視聴率がとれ、話題に上るからに違いない。私は何よりも、その魅力の根源はタイトルにあるのだと思う。「黒革の手帖」というタイトルが、何となく良いのだ。銀座のホステスではなく、銀座のママが愛用している手帖である。しかも、その手帖には、日本の一流企業に勤める重役たちの“夜の秘密”が記されている。なんとなく誰もが、ちょっとだけ「覗いてみたい」ような誘惑にかられる。ここで大事なのは、その手帖が“黒革”であることだ。毎年、多くの人が今でも“黒革”かどうかはともかく、年末になると手帖を購入する。多くの人が、その“自分だけの手帖”に他人には見せない何かを記述する。そして、それを保管する。几帳面で大事なことは何でも記述したがる日本人の性質には“手帖”がお似合いなのだ。そして、それが銀座のママであれば“黒革”であってほしいのだ。「ピンクの手帖」では、このドラマは成り立たない。実際には、この小説が書かれた80年代はバブル真っ盛りである。いまのように“つつましく杯を交わす”銀座ではない。けれども、今もって日本の銀座には“日本の未来”が握られている。「黒革の手帖」は日本の「道しるべ」に繋がるかもしれない“妖しいやり取りの手帖”なのだ。


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