今日の迷言・余言・禁言

「飢えるゾウ」「助ける…ぞう」という人はいるか

現在、観光地は世界的にどこもピンチなのだが、タイでは観光客急減で“ショーの花形”であったゾウ達の餌代が枯渇してきている。そのため「ゾウのショー」を行って来たオーナー達の多くが「ゾウを売りたい」と保護財団に泣きついてきている。タイ全土では235か所の施設が運営され、合計で2459頭ものゾウ達が飼われているが、そのうちの91ヵ所989頭のゾウ達が餌不足に苦しんでいる。何しろゾウを飼うのには金が掛かるのだ。一日一頭で1000バーツというから3300円くらいも掛かる。つまり1000頭いれば一日だけで3300万円もかかる。やはりゾウは大食漢だったのだ。いまさら“野性に帰す”というわけにもゆかず、ゾウ遣いも雇えなくなって、鎖につながれたままのゾウが放置された状態にある。ゾウ達が本気で暴れたなら、鎖でも引きちぎれそうな気もするが、放置するのは危険なのに違いない。もっとも、ゾウの前に、これまで観光業で食べて来たタイの人間たちが“野垂れ死に”しそうな状態ではある。確か“ゾウ遣い”というのは、それなりの修行が必要で、誰でもすぐなれるようなものではないと聞いている。仮に経済が復活しても、すぐにそれらの人達を集められるかという問題もある。こういう時、保護団体というのは、意外に役立たない。日頃、環境問題とか、動物愛護とか言っている割には、金が掛かる問題になると尻込みしてしまうようだ。或いは、今回の場合には、動物愛護とか動物虐待とかとは“別な問題”と捉えているのかもしれない。世界の中の“一ヵ所の観光地”だけが困っている場合には、世界各地から“救いの手”が差し伸べられるのが常だが、今回のように、世界同時に観光地がどこも“瀕死の状態”にあるような時には、自国で何とかするしかないのかもしれない。考えてみれば、タイ観光は、ゾウによって莫大な収益を得てきたはずなのだ。大昔、ゾウの背中に乗った時、こんなに高くて、こんなに揺れて、こんなにあっという間なのに、こんなに料金を取られるんだと驚いたものだが、何のことはない“餌代”に消えていたのだと、妙なところで納得したのだった。


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