今日の迷言・余言・禁言

「神を失い」「神を発見する」のが感染症

多くの人が「感染症」というものの“不気味さ”を改めて感じつつあるが、そこで同時に感じさせられているのが「宗教とは何か」「神とは何か」という永遠のテーマだ。昨日、長野市の善光寺で、触れると病や痛みが治る…とされてきた“びんずる尊者像”という彫像の“おさわり”が禁止になった。どうも“おさわり”と書くと卑猥な感じがするが、それ以外に書きようがない。とにかく、病や痛みが治る像は、病が“うつるかもしれない像”へと変わった。非力だったのだ。けれども、それは仏教だけではない。キリスト教でもイスラム教でも「神」関連の施設は、ことごとく“密集・密接”で集団感染を呼び起こしやすいということで、立ち入りが禁止されている。つまり、どの神であろうと、感染症には勝てない、ということだ。人類は早くから、このことに気付いていた。けれども、それでも“神に縋ろうとする”人々は後を絶たなかった。14世紀のヨーロッパでは人類史上最悪のペストが猛威を振るった。その時、失われた命は2000万人とも3000万人とも言われる。当時におけるヨーロッパの人口のほぼ三分の一を失ったとされている。ところが、この時期を境として、ヨーロッパでは何故か宗教的な絵画や彫像などが急速に増えて来る。或る意味では、それまでやや低下傾向にあった信仰心が急速に強まったのだ。ラファエロとか、ダビンチとか、ミケランジェロとか、誰でも知っている画家や彫刻家たちは、この時期を境に生まれたのだ。彼らは自分の好みで「神」を描いたのではない。信仰心が足りなくて、神をおろそかにして来たから「天罰」を受けたという想いが強くて、生き延びた人達には強くて、ごく自然に“神々への想い”が強まったのだ。本来であれば、ペストが流行して、どんなに熱心に信仰しても、奇跡を起こすことは出来なかったのだから、信仰心は薄れてしまいそうなものなのに、一途な人々は、決して「神」を裏切らなかった。まるで「塩対応」への片想いのように“偉大なる神”の姿がさまざまな形で描かれ、形作られたのだ。


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