今日の迷言・余言・禁言

「先住民族」に勝てない「文明」という“錯覚”

われわれはどうしても「先住民」とか「原住民」という言葉を聴くと、アフリカの人々を連想しがちである。けれども、実際にはアフリカのほとんどは“文明社会”である。けっして弓矢を持って生活していない。そこへ行くと南アメリカのアマゾン流域には文字通りの「先住民族」が今も“弓矢を持って”暮らし続けている。彼らは「文明」に“乗り遅れた”のではない。「文明」を“拒否し続けて”今日まで来ているのだ。或る意味では、アマゾン川流域という自然環境が、それを択ばせたともいえる。熱帯雨林は通常の文明生活が役立ちにくい。例えば服装なども、湿度が高いので裸の方が楽なのだ。幼い頃から“狩猟民族”として育つと、文明社会の“変な仕事”であくせくするなんてまどろっこしい。食べたいものがあれば、射止めれば良いのだ。そのための“弓矢”だ。それに、何よりも「文明人」は弱い。その証拠のように、エクアドルのパスタサ県に暮らす先住民族は、いとも簡単に“二人の警察官”“二人の兵士”“二人の民間人”を捕まえた。この六人を“人質”として、新型コロナウイルスで亡くなった首長の「遺体を俺たちに引き渡せ」と要求したのだ。自分たちには、自分たちの“やり方”がある。首長の遺体は“神聖呪術”によって葬らなければならない。それが古代から続く「掟」なのだ。六人の人質を取られて、なすすべもなく、文明人たちは先住民族に、文明的なやり方で埋葬してあった“感染者の遺体”を掘り起こし、彼らの言う通りの場所へと運んだ。そうして、人質になっていた人々は解放された。ここで注目すべきは、そこに“二人の警察官”と“二人の兵士”とが含まれていたことである。われわれ文明人の警察官や兵士は、いとも簡単に拉致された。要するに弓矢を駆使する先住民族に、歯が立たなかったのだ。まるで宇宙人に拉致された地球人でもあるかのように、いとも簡単に拉致され、そして目的を果たされた。「文明」とは何だろう。われわれは「感染症」にも勝てないし、地震や豪雨や火山噴火にも勝てない。要するに勝てるものがない。そして先住民にも勝てない。宇宙人が来たら多分勝てない。先住民が「文明」を拒否したのは当然だったのかもしれない。


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